わかれ

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時は過ぎ、4年後。 彼女は中学生になり町の中学校へ私は通わせた。 私たちはすっかりと家族になっていた。 これからも、"家族"という生活が続いていくのだと彼女も私も思っていた。 だが…………。 彼女の病気は突然悪化した。 彼女は学校近くの病院に運ばれたが、どうしても診療所で治療してほしいと我が儘を言った。 「最後の…お願い…」 そう言って。 私は急いで診療所に運ばせた。 「先生…?」 「どうしたっ!?」 「ありが…とう…楽し…かったよ……」 「お前さんは私が必ず助けるっ…!」 「ねえ…先生…?」 「なんだっ…」 「私たち…家…族…だよ…ね…?」 「あぁ!」 彼女の声は途切れ途切れになっていった。 そして………。 「これ…からも…家…族だ…よ…ね………」 この言葉を残し、彼女は息を引き取った。 「お前さんは家族だ……………」
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