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どこにでもあるような全寮制の男子校。それが現在京の生活している場所だ。 寮に至っては1、2、3年生と建物こそ離れているものの、まだ入学仕立ての生徒に寮長を務めさせるには少々重荷であろうという校長の配慮で、3年生の寮長が1年生の寮をも管理することになっている。 その重要な役割をハクは担っているのだ。 モッパ 専ら、京が言うには職権乱用としか言い様が無いほどに寮長の名を掲げて良いように使われているようにしか思えない、らしいのだが。 それは早朝に起こされ、夜は消灯時間には強制的に寝るように促される京の不満に過ぎない。 お陰で規則正しい生活が送れているため、ここのところ風邪すら引かなくなった。 「…それで。さっきの悲鳴は何?いい年して怖い夢でうなされてたの?」 歯みがき粉を歯ブラシに絞り出しながら、制服に着替える京に向かってハクが不機嫌気味に問い掛けた。 周りからしてみれば一言多いその言葉だが京にしてみれば日常茶飯事。 オオギョウ 大仰なほどその話題に食い付いた。 「そうそう!!またあのデカい猫が夢に出たんだよ!マジでもう食われるかと思った!マジで!!」 京は猫が大嫌いである。 興奮してるように聞こえてしまうが、これも嫌い過ぎての態度…。 あの鋭い目付きも爪も牙も、京には凶器にしか見えていない。 猫好きには理解し難い理由だ。 「そんでいきなり飛び掛かってきて…」 「京さぁ、つかれてるんじゃないの?」 「は?疲れてる?」 「違う。取り憑かれる方の“つかれる”」 ヤニ 脂下がるハクを目の前に、京は身震いした。
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