私の色に染めてやるっ!! 【NL】

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「えぇーいっ! 鬱陶しいわ!!」 ガコンとばかりに鞄で殴られた俺は、一瞬目の前に星を見た。 次の瞬間頭を押さえて、腹の底から声を出す。 「【萌えキャラ系挿絵】ーっ! 俺を殺す気か!?」 腰に手を当て睨み付けて来たのは、何故だかよく絡んでくる【挿絵】。 元気いっぱいの、元気過ぎる程の【挿絵】だ。 「【ファンタジー系挿絵】にフラれた時点で死んだようなもんでしょ、あんた」 ふんっ! と睨まれるより、愕然とする事柄。 な、「なんで、それを」 誰にも…そう、親友の【歴史小説】にすら、フラれた事は言ってないのに。 「あの子、放課後、あたし達に暴露していったもの。『可哀想だけど、断った』って」 …本気で可哀想だと思うなら、暴露シナイデクダサイ。 まさか彼女がそんな事を。思わず【ファンタジー系挿絵】を見詰めると、彼女は俺の視線に気付き…反らした。 しかも、いかにも嫌そうに。 そりゃ、まともに話した事はないけど、綺麗な色使いに魅せられて、決死の覚悟だったのに。 再び、机で沈没。 終わった。 これでもう、俺の人生に華は無い。 「【青春小説】も、相手を見る目無さ過ぎ」 【萌えキャラ系挿絵】の説教が、右から左に抜けて行く。 「聞け! こらっ!」 ガシッと頭をアイアンクローで引っ張り上げられて。 「痛い、痛い!」 毛根が悲鳴を上げとるだろーがっ!! 「あんたがあたしを無視するからでしょーっ!」 「耳元で怒鳴るなぁ!」
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