散々な日

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……電柱をすり抜けた? いや待て。おかしくないか? そこは後頭部をしこたま打つシーンじゃないのか? まさかな。 本物、とか無いよな? 「お前、何者だ?」 こういう時、よくあるセリフというのが役に立つ。 じゃなきゃ、黙ったまま何も言えなかっただろう。 いつの間に立ち上がったのか、何事もなかったようにおっさんが話す。 「神。」 「いや、流石に無理があるわ。」 有り得んでしょ。神様にガン飛ばしたとか。突き飛ばしたとか。そこは、かわせよ。神として。 「………本当だし。」 うわっ。扱いづらっ。 もう死ねば良いのに。 あっ、もう死んでんだっけ。 ……そういえば、あいつほかの奴に見えないんだっけ? 言われてみれば、こんないかついおっさん吹っ飛ばしたのに誰も止めないぞ?それどころか、みんな引き気味。
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