散々な日

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振り返ると、そこには同年代くらいの女が立っていた。――手には俺の映画の半券。 馬鹿が。落ちたんじゃねーよ。落としたんだ。 俺は何も言わず、黙って不機嫌そうに手を出す。 「ちょっと?礼のひとつも無いの?」 俺の態度が気に食わなかったのか、急に女の態度が豹変する。 性格変わりすぎだろ。礼ってなに期待してたんだ、この女?あんた半券拾っただけでしょーが。 「…別に頼んでねーし。それに、落としたんじゃなくて捨てたんだ。受け取ってやるだけありがたいと思え。」 さっきと同じ、手を差し出したまま威圧的に言い張る。……さっさと失せろ。 「……死ね!」 そういって俺にくしゃくしゃに握り潰した半券を投げつけた後、大股でいかにも怒ってますという雰囲気を出しながら去っていった。 んな理不尽な。 あんなのが『恋』だ『愛』だのが永遠だとか言い張るんだから馬鹿げてる。
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