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「うん、そうだけど私もここに住ん~ん~んっ」
俺はとっさに桜の口を抑えた。
何故だか手を舐められてるが気にしてる場合ではない。
「何やってんだ航。水城さん苦しそう……じゃないな、なんか笑ってるし」
俺はこのとき大地がバカでよかったと心から思った、いろんな意味で。
「桜のやつなんか気合い入ってるみたいで着替えないできたみたい。
まっ、とりあえずあがってよ。俺の部屋は階段上がって最初の部屋だから先行ってて」
「そんなの知ってるっつうの。何回来てると思ってんの?
まぁ高校になってからは初めてだけど」
そう言って大地は階段を上って俺の部屋に入っていった。
俺は桜の口から手を離し桜をリビングに連れて行った。
桜の口を押さえていた左手がベトベトで気持ち悪かった。
「桜、まずなんで俺の手を舐めたの?」
キッチンで手を洗いながら桜に聞いた。
「目の前に航の手があったからだよ。航の味」
そう答える桜の顔は意味もなく笑顔だった。俺にはわけがわからなかった。
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