背中

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「あ……」    出口に背を向けて、席へ戻る彼女。    その、細く小さな身体へ――。    強く抱きしめれば、それだけでぽきりと折れてしまいそうな儚い後ろ姿へ――。         ――世界の全てが収束する。       (欲しい)    気がついたら、私は彼女のすぐ傍まで歩み寄っていた。        彼女の背中。    腰の高さで切りそろえられた黒髪は、絹の様に艶やかで。    髪の隙間から除く白いうなじは、陶器の様に美しくて。    プリーツスカートがなぞる臀部は、その形の良さを強調していて。       ――触れたい。  その野暮ったい制服を剥ぎ取り、彼女の素肌をこの手で、この舌で味わいたい。
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