《8人の英雄》

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黒く巨大な神殿。 その中にある大きな広間の中に彼らは居た。 遠くにあるであろう壁は闇に覆われ、見ることが叶わぬ。 唯一見えるのは目の前にある、巨大な扉のみ。 「ローラン……行くのか?」 「……サザ、今までありがとう。 ユアのこと頼むよ」 赤髪で小柄な少年ローランは弱々しく微笑むと、親友である緑髪の青年サザに手を伸ばす。 「ああ、ユア様は命に変えても守る」 サザはその手をがっしりと握り、自分の魔力を流し込んだ。 そして、魔力を流し終えると、隣で見ていた二人のうち一人がおもむろに口を開く。 「全く、貴殿には敵わぬな……」 「ハク、僕の力で何年耐えれる?」 銀の長髪を腰まで垂らした男は、眼鏡の位置を直しながらそれに答える。 「よくて500年。だが、某の力を全て託せばあるいは……」 言いながらハクはローランの額に触れ魔力を流し込む。 「……ありがとう。グラン行くよ」 「おう!てめぇらの分も決めてやらぁ」 片目に眼帯を付け、がっしりとしたグランと呼ばれた男。 彼は大声を張り上げ斧を構えた。
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