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それを見たローランは優しく微笑み、自らの大剣デュランダルを抜く。
「デュランダル、最後の戦いだよ。
僕に君の力を貸してくれ」
すると、まるでローランの声に呼応するかのように、大剣が脈を打ち熱くなる。
「ふん、ガレッサ! 気合い入れろ!」
グランの方も同じく、掲げた斧がそれに答える。
「行こう。アスラ達が待ってる」
ローランは前に進み、目の前にそびえ立つ扉に触れた瞬間、扉に彫られた悪魔の目が光り、ゆっくりと開く。
そして、二人が部屋に入ると同時に、その扉は静かに閉じた。
「ローラン!!」
「っ! ユア様! 何故ここに?」
サザは背後から駆け寄ってきた、ドレス姿のユアを見て咄嗟に捕まえる。
「離してサザ! ローランは死ぬ気なんでしょう!?」
「…………」
泣き叫ぶユアを見て、サザとハクは何も言えなかった。
「ああ、ローラン……どうして…………」
ユアはその場で泣き崩れ、目の前の扉を見つめたが最愛の人は戻って来ない。
残された3人の頬を涙が伝ったが、誰もそれを拭いはしなかった。
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