【序章】

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 十五歳になる迄、全く霊の存在を信じて無かった私。当時の私は現実主義者で、自分の目で見た事しか信じられなかった。  難聴で耳からの情報源が、非常に少なかったからだ。  言い換えるなら、前作の様な目に遭わなければ、今頃も現実主義を突き通し、信じて居なかったに決まっている。  否、例えそうだとしても、信じたくないのが本音だろう。  そして何故、私の様な人間に与えられたのか、今でも不思議に思う。  それ迄、普通に過ごして来た日々とは別れ去るを得ず、ヒヤヒヤしながら過ごす日常に反転、当時の私には人知れず深い苦痛だった………。
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