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【命日】
今作にタイトルを付けるならば【4月16日】が相応しいだろう。
この日はある人の命日…。
生涯記憶の片隅で、彼女は生き続ける。。。。。
十六になる春…。
入学式が終わり、新しい環境や友達に馴染む為、クラス全体が賑(にぎ)やかな雰囲気に包まれていた。
私は前の小学校の同級生と再会し、同じクラスになった事を喜んで話していた。
「転校以来だよね?」
「久し振り~っ!!」
私は小学生高学年の時に、引越しして他校へ転校していた。
その彼女が思わぬ事を口にした。
「何か不思議…。声…聞いた事なかったから…。」
(………。)
そう言われた時は唯、苦笑するしか無かった。
私は十三、四歳に難聴の手術を施行したが、術後直ぐには効果を得られなかった。
術後、僅(わず)かに難聴が軽減し始めたのは、ちょうどこの当時位からだった。
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