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~数分後~
女性が立っていた場所に、2人の人間がたどり着いた。
…二人とも銃を持っているようだった。
全身にギリースーツを羽織り、顔には暗視装置をつけていた。
「…逃げられたな。」
PSG-1狙撃銃を構えた兵士がポツリと呟く。
それを聞くと同時に、もう一人の兵士が舌打ちをした。
「ちくしょー。またか。」
忌々しそうに唾を吐く。
「…仕方ない。あの身体能力だけでもやっかいだが、空間を移動されては手も足もでないさ。」
相棒をなだめるように言うと、兵士はPSG-1を肩に掛けた。
「…どうする?今日の妖怪狩りはもう辞めるか?」
相棒は首を横に振ると、アサルトライフル…AK47を握りしめた。
「まだ、やる。じゃねぇと気がすまねぇ。」
兵士はため息をつくと、狙撃銃の代わりに、腰に下げたVz61サブマシンガンを掴んだ。
「…ほんと、諦めの悪いやつだな。」
そういうと、相棒について行った。
その場を静寂が包む。
しばらくしてから、再び女性が姿を現した。
兵士達が歩いていった方向をジッと見つめる。
「…外来人ね。」
そう呟くと、右手を上げた。
手に持つ扇で、空間に絵を描くように動かす。
暗闇の中、兵士達の悲鳴が聞こえた。
銃声が響くが、やがて、悲鳴とともに聞こえなくなった。
女性は、どこか悲しそうに俯くと、姿を消した。
再び、静寂が辺りを包んだ。
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