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~2日目~
朝から歩き始めて数時間。
日はもう頭上を通り過ぎようとしている。
それでも相変わらず、視界は竹ばかりだ。
「…うんざりだぜオイ…。」
舌打ちをすると、ベルゲンを降ろし、その場に座りこんだ。
遭難することは初めてではない。
それでも、見ず知らずの土地。
しかも光景がいつまで経っても同じ竹藪。
苛立ちは抑えられない。
煙草を吸おうとポーチをまさぐるが、ふと空腹なことに気づく。
腕時計を見ると、キャンプ地点から歩き始めて7時間が経過していた。
「…ちっ。」
ベルゲンから、携帯食料を取り出す。
「…誰なのかー?」
「っ!」
突然背後からかけられた声に、反射的に銃を向ける。
「…女の子?」
そこに居たのは、黒い服を着た金髪の少女だった。
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