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「…君、名前は?」
誠一は、銃口を下ろさずに少女に問う。
「…ルーミアっていうのだー。お願いだから『それ』を下ろしてほしいのー。」
ルーミアは困ったような顔で、誠一のM4を見つめる。
…敵意はなさそうだ。
そう判断した誠一は、M4にセーフティーをかけた。
「…ごめんよ。ちょっと道に迷ってピリピリしてたんだ。」
誠一が謝ると、ルーミアはニッコリ笑った。
「迷ってたのかー。」
「あぁ、昨日からずっと歩いてるんだけどな。ルーミアはどこから来たんだ?」
そういうとルーミアは、右手の方向を指さした。
「『森』からなのだー。そういえば名前聞いてなかったのだー。」
誠一はこの時点で、まだ名乗ってなかったことに気が付いた。
「ごめんごめん。俺は秋山誠一って言うんだ。」
「セーイチなのかー。よろしくなのだー。」
ルーミアはニッコリ笑うと、『森』とは逆の方向に向かって歩き始めた。
「…どこにいくんだ?」
誠一がそう尋ねると、ルーミアは振り返った。
「『永遠亭』なのだー。迷ってるならセーイチも来たらいいのだー。」
ルーミアはそう言うと、再び歩き始めた。
「…しかたないな。」
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