mission.2

2/14
前へ
/61ページ
次へ
~~~~~ 「着いたのだー。」 「…デカいな。」 ルーミアの横で、呆然と『永遠亭』を見上げる。 竹林と平行するように、左右に広がる塗り壁。 目前の入り口も、木製の大きな開き戸だ。 「…まるで平安時代の建物だ。世界遺産に登録するべきだな。」 思わず見とれてしまう。 「…セーイチー。はやく入るのだー。」 ルーミアが、門の前でちょいちょいと手を振る。 「はいはい。」 誠一はそう言いながら、歩き出す。 ルーミアは、先に扉を開くと中に入った。 ゴンッ 「っ!?」 嫌な音が響いた。 誠一は慌てて扉に駆け寄る。 「おい、大丈夫か?」 「…痛いのだー。」 頭を抑えて涙目なルーミアと、その横に転がる『たらい』。 …何があったか理解した誠一はため息をついた。 と、同時にヒョイと横にステップする。 …飛んできた吸盤付きの矢が、背後の扉に貼りつく。 「…歓迎されてるようだな。」 ニヤリと笑った誠一は、辺りを見回した。 …庭園のようだ。 「…そこか。」 足元の『たらい』を蹴り飛ばした。 宙を舞う『たらい』は、目前の木に向かって飛んでいった。 カーン 「痛てゐっ!?」 木の上から悲鳴が聞こえた。
/61ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10人が本棚に入れています
本棚に追加