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「外来人?外国人じゃなくてか?」
誠一が聞き返すと、妹紅は頷いた。
「あぁ。外の『世界』から来た人の呼び名だ。さっきの誠一の反応からして、…おそらく今の誠一は、元居た世界とは別の世界に来ているんだ。」
妹紅は少し言い辛そうに、説明する。
それを聞いた誠一は、ため息をついた。
「…やっぱりそのパターンかよ。」
「…なんだ?驚かないのか?」
「まぁ薄々気付くだろう?自分の置かれている現状が『非現実的』なら状況なら尚更さ。」
そんな誠一を見て、妹紅はフフッと笑った。
「…あんたみたいな外来人は初めてみたよ。」
「…それは褒めてるのか?」
「両方だな。」
妹紅は笑いながらそう答えた。
誠一は肩をすくめると、ルーミアに向き直った。
「…そういえばルーミア。お前怪我してただろ?大丈夫なのか?」
「今から見て貰うのだー。大丈夫なのだー。」
ルーミアはニッコリ笑う。
その様子を見ていた妹紅は、誠一に説明する。
「ルーミアは『妖怪』だからな。見た目は幼いが、歩けるようなら心配はいらないよ。」
説明を聞いた誠一は驚いたように、ルーミアを見つめる。
「…妖怪だったのか?」
「そーなのだー。」
誠一は無言で、ルーミアに近づくと、頬を左右に引っ張った。
「なにひゅるかー?」
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