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「…なんだ?」
俺は、気がつくと見知らぬ土地にいた。
見渡す限り、木、木、木、木…。
さっきまでいた砂漠とは全く正反対の光景だ。
…いや、木じゃない…。
「…竹か?」
見事な竹だ。
だが、コスタリカには『竹』はないはず……。
「…コスタリカ?」
ふと首を傾げる。
無意識に出てきた国名。
それは記憶にある砂漠の光景と一致するのに、数秒の時間を要した。
…そもそも何故俺は武装している?
右手にはいつも愛用している『M4』が握られていた。
着ている装備は真っ黒な『強襲用バトルスーツ』。
右足のレッグホルスターには『M93R』が留められ、腰の後ろには形見でもある『サバイバルナイフ』がしっかりと収まっていた。
つまり、俺は『つい先程までコスタリカの戦場に居た』事を物語っている。
だが、コスタリカで戦っていた俺が何故こんな場所に居るのか…そもそもここはどこだ?
「…UFOか?」
コスタリカはUFOや宇宙人との遭遇率が多いと聞く。
…いや、さすがにそれはないだろう。
一人で苦笑すると、足元に置いている背納…ベルゲンを背負う。
…とりあえず部隊の仲間を探そう。
そう思い、竹藪の中を歩き始めた。
俺…『秋山誠一』は、この時は知らなかった。
確かにUFOではなかった。
が、自信が置かれている状況が、それよりも驚愕する事態になっている事に。
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