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本当に 単なる思いつきだった
仕事が終わり 電車を乗り継いで駅に着き
いつものようにコンビニで弁当を買い
いつもの帰り道を歩いていた時
「桜を見て帰ろうかな…」
と ふと思っただけだった
駅から家まで帰る途中に 小さな川があり その両側いっぱいに桜が咲いていて
春になると桜のトンネルのようになっていた
いつもなら 橋を渡る時に眺める程度だったが その日は何故か その桜の下を歩いてみたくなった
橋を渡り 歩道へ入る
昼間に見る桜も綺麗だが
夜桜もまた 違う魅力があった
『桜の木の下には死体が埋まっていて その血を吸って花がピンク色に染まる』
昔 こんな話を聞いた事があるが なるほどそんな事を思ってしまうのもわかるくらい
夜桜は 妖しい魅力を放っていた
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