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新学期が始まったというのに、美雪は一人落ち込んでいた。
逢いたくても逢えない。
そんな、どうしようもない状態に、気が滅入ってしまいそうだ。
一番気になるのは、千代子の存在だった。
千代子が高校に赴任してきたから、先生は美雪と距離を置きたくなったのかと不安はより一層増していくばかり。
「……」
大好きな王子の漫画を読んでいても、全然おもしろくない。
気になって、しょうがない!
起き上がり、窓から外を眺めた。
生憎の雨に、気分は盛り下がる。
先生は、この週末は何してるのかな…
したしたと降る雨を見つめながら、美雪はこのどうしようもない気持ちと格闘していた。
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