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「美雪ちゃんは、不安なんだよね?由樹のこと、もう少し信じてみたら?」
佳奈が美雪の座っていた、ベンチの隣に座った。
「………」
「…由樹は、小さい時から意地っ張りで大人ぶってたけど、誰よりも考え方とか子供なんだよ」
佳奈は落ち込んでいる、美雪を諭すように語りかける。
「…先生が子供?」
「そう。歳のことじゃなくて、中身がね。寂しくても見栄を張って我慢しちゃうタイプだから。」
「……でも、千代子先生と一緒の所を見てしまったから…私、信じたくても信じれません…」
目撃してしまったからには、自分に言い聞かせることもできない。
気持ちがますます、落ち込むばっかりだ。
「…由樹はね、美雪ちゃんが大事なの。可愛くて可愛くてしょうがないの。昔、恋した時に傷ついた分、人には同じ苦しみを与えたりしないから。」
「……はい。」
「私も由樹が考えてることは、わかんないけど、美雪ちゃんを大事だって見ててもわかるよ」
「…はい!何か、落ち着いてきましたっ!」
「ほんとに?なら、良かった~」
ホッとしてみせた佳奈の笑顔が可愛くて、美雪も思わず笑ってしまった。
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