ヲタ的☆独りの週末

13/13
前へ
/292ページ
次へ
その頃。 千代子は一人、部屋の片隅に座っていた。 テーブルの上には、日本酒が置いてあり一人でチビチビと舐めるように呑んでいた。 嫌な事がある時や、寂しい時はこうして酒の力を借りる事が多い。 ドアがスッと開いた。 「…ママ~…」 そこには、まだ幼い小さな子供が立っていた。 「…ん?起きちゃったの?怖い夢でも見た?」 千代子は立ち上がり、子供を抱きかかえた。 「………」 必死にしがみついてくる、小さな手を千代子は見つめた。 「…さぁ、寝ましょう。起きたら、パパが帰って来るわよ」 パタンとドアが閉まった。 .
/292ページ

最初のコメントを投稿しよう!

639人が本棚に入れています
本棚に追加