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蛇口を捻り、冷たい水で手を洗う。
乱れた髪を直し、化粧も直す美雪。
「………」
亜由美の言葉を思い出す。
確かに、亜由美の言う通り、由樹と自分が付き合っているって少しでも変な噂が立つととんでもない事になる。
自分はともかく、大好きな人が職を失い、またその職業で働けないなんて…
そりゃ、由樹と付き合う時点で許されない恋だって自覚はしていた。
でも、もし見つかったらなんて考えもしなかった。
「アハハハ!マジ?」
急にドアが開き、数人トイレに入ってきた。
(…そうか…みんな噂話って大好きだもんな…)
美雪は顔に気合いを入れた。
絶対、この恋は見つかってはならないんだと。
それと同時に、他の生徒の言語や行動が少し気になるようになった。
(…先生と付き合うってこういう事なんだ…)
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