ヲタ的☆噂

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放課後。 帰りのHRが終わろうとしていた。 「帰る前に、現国のノート出していって下さい」 大好きな人が教壇に立ち、生徒達をまとめている。 最初は変な感じがしたが、今は慣れてしまった。 早いもので、もう一学期は残り一カ月となった。 HRが終わり、生徒達がまばらに立ち上がり、教壇にいる由樹へノートを出している。 美雪も、机の中から現国のノートを取り出し立ち上がった。 由樹にノートを提出した生徒が教室から出て行く。 すぐ側に由樹がいると思うと、嬉しくなる。 もっと近くに行きたい。けど、教壇が邪魔している。 ノートを出す間際、一瞬だけ由樹と手が重なり、胸がドキッとした。 周りに生徒がいなく、唯一居るのは亜由美だ。 由樹と目線が合う。 眼鏡の奥の瞳が、一瞬違う光を放つ。 たったそれだけなのに、美雪は嬉しくてすぐにでも由樹に飛びつきたい気分になる。 「藤村せんせ~!」 そんな一瞬の幸せも、あっという間に崩れ落ちていく。 「…はい?」 「あのさ~、ここって…」 同じクラスの生徒が質問をしに由樹に近づいてきた。 そうだった…。 美雪は、咄嗟に俯いた。 こんな幸せだと思っている、締まらない顔を他の生徒に見られたりでもしたら… 人に敏感になってしまいそうだ。 美雪は、慌てて自分の席へと戻っていく。 いつもと少し違う美雪の行動に、由樹が気づいたが生徒と話していて聞くに聞けない。 「……美雪?」 由樹だけじゃない。亜由美も、そんな美雪に気づいたのだった。 .
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