ヲタ的☆新学期

5/15
前へ
/292ページ
次へ
学校へ亜由美と向かっている間も、美雪は自分の進路の事で頭がいっぱいだった。 いつの間にか学校に着いていて、靴を履き替えていると亜由美と美雪の間に影ができた。 「おはよー!お二人さん☆」 朝から元気な米田の姿だった。 「おはよ!久しぶりじゃん☆米田チャン」 亜由美が茶化すように、米田を肘でつついた。 「…おはよ~。米田くん」 「今日から、新学期じゃん。久しぶりで当たり前☆それに、塾通う事になったしな」 亜由美の攻撃から避けるように、米田は美雪に話してきた。 「……え?」 「今から通っても無理だってわかってるけど、大学行くには不安があるし」 いつも脳天気そうな米田まで、しっかり進路を考えているんだと知った。 この前まで、二年生で遊んでいたのに、少しずつ変化していく友人達に遅れを感じてしまう美雪。 「……米田くん、大学行くんだ?」 「うん。初とただ同じ大学行きたいだけなんだけど。」 恥ずかしそうに鼻を掻き、交際も順調そうに話す米田。 ただ、単に彼女と同じ大学に行きたいって、単純かもしれない。 けど、進路が全く決まっていない美雪からしてみたら、それはそれで立派な夢だと羨ましく思えた。 彼女と一緒に大学に通うという夢が。 先生と漫画達に、一直線でのめり込んでいた、今までを反省しなければならない。 「美雪?どうした?」 そんな、落ち込んでいる美雪に気づく米田。 「…何でもない。」 「?そっか?あっ、じゃまたな!」 米田は友人を見つけると、一緒に合流していく。 .
/292ページ

最初のコメントを投稿しよう!

639人が本棚に入れています
本棚に追加