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学校へ亜由美と向かっている間も、美雪は自分の進路の事で頭がいっぱいだった。
いつの間にか学校に着いていて、靴を履き替えていると亜由美と美雪の間に影ができた。
「おはよー!お二人さん☆」
朝から元気な米田の姿だった。
「おはよ!久しぶりじゃん☆米田チャン」
亜由美が茶化すように、米田を肘でつついた。
「…おはよ~。米田くん」
「今日から、新学期じゃん。久しぶりで当たり前☆それに、塾通う事になったしな」
亜由美の攻撃から避けるように、米田は美雪に話してきた。
「……え?」
「今から通っても無理だってわかってるけど、大学行くには不安があるし」
いつも脳天気そうな米田まで、しっかり進路を考えているんだと知った。
この前まで、二年生で遊んでいたのに、少しずつ変化していく友人達に遅れを感じてしまう美雪。
「……米田くん、大学行くんだ?」
「うん。初とただ同じ大学行きたいだけなんだけど。」
恥ずかしそうに鼻を掻き、交際も順調そうに話す米田。
ただ、単に彼女と同じ大学に行きたいって、単純かもしれない。
けど、進路が全く決まっていない美雪からしてみたら、それはそれで立派な夢だと羨ましく思えた。
彼女と一緒に大学に通うという夢が。
先生と漫画達に、一直線でのめり込んでいた、今までを反省しなければならない。
「美雪?どうした?」
そんな、落ち込んでいる美雪に気づく米田。
「…何でもない。」
「?そっか?あっ、じゃまたな!」
米田は友人を見つけると、一緒に合流していく。
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