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廊下にクラス発表の紙が貼られていたが、三年生はそのまま持ち越しで変わらない。
美雪と亜由美は素通りして、教室に入っていく。
◇◇◇
始業式が始まり、美雪達は体育館へ来ていた。
正直、この為だけに学校に来たようなものだ。
浮かれていた昨日までとは違う空気に、美雪は自分に渇を入れた。
両頬を叩き、気合いを入れた……があまりにも長い校長の話に欠伸が漏れる。
昨夜の夜更かしが長引いているのだろう、今寝なさいと言われたら、直ぐにでも寝れるぐらいだ。
目が閉じていきそうになるのを、必死で堪えている。
『……では、今年度の職員の紹介をします。』
そんな校長の声が聞こえた。
一年生から順に、担任の名前が呼ばれ紹介されていく。
そういえば、自分のクラスの担任って誰だろう?
『…三年C組 藤村由樹先生』
……ん?
あれっ?気のせい?聞き間違い!?
今、自分のクラスの担任の名前、先生だったような…
美雪の前に並んでいた亜由美が、チラッと振り返ってきた。
…………え
えぇぇぇぇえぇぇぇぇぇぇっ!?
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