ヲタ的☆新学期

7/15
前へ
/292ページ
次へ
誰か、嘘だと言ってほしい。 美雪は、教室に入るなり机にうつ伏せた。 今日は朝から、落ち込む事ばかりだ。 新学期早々、こんな嫌な日なんてヘコむ。 「何がそんなに嫌なの?嬉しいでしょ~?惚気なさい」 亜由美がうつ伏せになっている美雪をつついた。 「……嬉しくないよ」 予想外の美雪の返答に、亜由美が驚く。 「何で~!?」 「だって!!」美雪が勢いよく起き上がり、自分の声の大きさにびっくりした。 「……だって、前ほど学校では他人のフリを徹底しなぎゃならないでしょ?」 声を潜めて、亜由美の耳元で囁いた。 「…そお?担任だから、相談にのってもらうって感じで一緒に居れるじゃん☆」 「………」 相談にのってもらう程、進路に困っていないから美雪は言葉を失う。 困ってはいるが、自分の夢が何なのかわからないって言ったら、先生は怒ってくるに違いない。 「……無理だよ~ι」 ◇◇ 「…なぁ、堤って最近可愛くねぇ?」 教室の入り口で、男子生徒二人が話している。 「マジで!?俺も最近思ってたっ!!」 そんな盛り上がっている生徒を遠目で藤村が見ていた。 いつもの仮面をすぐさま付けると、教室の中に入っていく。 「……はい。HR始めます」 その藤村の言葉に、生徒達が席に着いた。 .
/292ページ

最初のコメントを投稿しよう!

639人が本棚に入れています
本棚に追加