~第1章~悪夢に蝕まれる日常

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戒にタックルをかましたのは、此処の社員であり2人の先輩に当たる峯岸 麻奈(ミネギシマナ)。可愛らしい印象を受ける、ウェーブのかかったロングヘアーの持ち主。   「いい加減…戒から放れろ…」   デスクに腰を落ち着かせていた綾が、倒れている2人の下へ。   「イ・ヤッ!!」   綾にアッカンベーをし、意地でも放れるものかとグリグリと頭を押し付け、戒を抱き締める力を増す。   「気色悪ぃんだよっ!変態オカマっ!!」 「「あっ……」」 「綾君…今、何て言ったの?」   麻奈に対する禁句を口にした綾に、周囲は避難態勢。   「オカマって言ったんだよっ!」   普段冷静な綾も頭に血が昇っているのか、麻奈の挑発めいた問いにまたもや禁句を口走る。   「ちょっと来いやお前っ!その腐った根性1から叩き直したるっ!!」   ズルズルと麻奈に奥の部屋へ連行される綾に御愁傷様。と、周囲は合掌。   「綾も学習能力ねーよなー。」 「あっ!豪さん、おはようございます。」 「おうっ!はよー。」   2人の様子を見ていた塚本 豪(ツカモトゴウ)は、戒の頭をガシガシと少々乱暴に撫でる。   暫くして疲れきった顔の綾と、清々しい顔の麻奈が戻ってきた。 説教と言う名の愛の鞭を痛い程、心身共に受けたのだろう。      
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