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ベルが鳴り終わらぬ内に、燕尾服の男が室内へ。
「はい、マスター。」
「氷の使者を…呼んできてくれるか?」
「氷の使者ですかっ!?」
「私の指示に従えないのか?」
「いっいえっ!只今…」
従わなければ、何が待ちかまえているか分からない。
すぐさま部屋を後にし、ご要望の品を主の下へ。
「失礼します。マスター、俺をお呼びと?」
現れたのは、優しそうな笑みの青年。
「あぁ。生きていたよ…私の薔薇が…」
「では、始末して…」
「今回は違う。死を操るピエロを回収して来て欲しい。あの子では太刀打ち出来ない。」
「仰せのままに…」
青年が出て行き、2人だけの室内。
聞こえるは、男女の微かな笑い声。
「楽しみにしているよ…私の黒い薔薇。」
「マスター、楽しい?」
「あぁ。楽しいさ。アイツの恐怖に歪む表情が見れるならね。」
「私も早く遊びたいな?」
「もう少しの辛抱だよドール。私の愛しきドール。」
ドールと呼ばれた女は、マスターの首に腕を回し抱き付く。
徐々に蝕む闇。
殺戮と狂気の公演は、まだまだ終わらない。
光を見いだす事が出きるのか?
ソレは天に召されし、人のみが知り逝く。
次は誰が飾られる番かな?
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