~第3章~忘れられぬ過去と現在

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冷たい木枯らしが吹き荒ぶ中。 戒と綾は、恵のお使いで、ある場所に向かっていた。   「結構久々じゃない?」 「色々あったからな。都合つかなかったんだろ。」   会社から徒歩10分の小さな喫茶店。 それが今回の目的地。   カランカラン   店内は、質素でゆとりのある心地良い印象を受ける。 昼間は喫茶店だが、夜はバーも営む為、少し薄暗い。   「いらっしゃい。おっ!?来たな。」 「お帰り!戒ちゃん綾君、久しぶり。」 「「ただいま。」」   会社と馴染みの深いこの店は、2人にとって第2の我が家も同然。   「秋良(アキラ)、店閉めてこい。」 「は~い!」   この店は、川島 遥(カワシマハルカ)と川島 秋良(カワシマアキラ)の親子2人で経営している。 表向きは普通の喫茶店だが、裏の顔があった。   「で、今回は何だ?」 「幻死団の主力メンバーの情報が欲しい。」   準備中の札が掛かるのを確認し、本題に入る。 そう、この店の裏の顔は情報屋。   「主力メンバーか…」 「トップ3の素性は一切不明だけど、それ以外なら何とかなるわよ。」   やはり謎に包まれている組織だけあって、情報も一筋縄ではいかず、集めるのが困難らしい。  
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