~第1章~悪夢に蝕まれる日常

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あの悪夢を見た後は絶対と言っていい程、左腕の蝶が疼く。 記憶にないような幼き頃から、既に戒の左腕には蝶の入れ墨が彫られていた。   「戒、遅刻する気か?」 「今行く!」   会社に行く為、身支度を開始。 汗でベタベタする体を洗い流し、綾の作った朝食を食べる。   「美味い♪」 「当たり前だろ?俺が作ったんだから」   2人で歯を磨きや支度を済ませ、家を出る。 玄関に鍵をかけようとした瞬間……   「綾、ごめん!忘れモノッ!!」   そう言って戒は家の中へと戻る。   「たくッ……」   戒がそそっかしいのは何時もの事なので、綾はタバコを吹かしながら待つ事にした。   「あった!ごめんな……」   忘れてしまった事に謝り、戒はソレを手に玄関へ。   「ごめんごめん!」 「早く行くぞ」   家に鍵をかけ、2人は会社へと向かう。 思ったよりも時間がかかり、会社まで走る羽目に。   「遅刻したらお前のせいだからな!」 「悪かったよ……」   コレも何時もの事。 戒の起きるのが遅く、2人は会社に着くのは遅刻ギリギリ。   「課長に小言、言われるのは俺なんだぞ?」 「だから、ごめんってば!」   2人は、遅刻したら……と考えると恐ろしくて、顔が引きつり冷や汗が後を絶たない。      
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