奏の回想・1。

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「ふぅ……」 今は昼休み。俺は教室でボーッとしていた。 中学校というものがどんなものか不安だったけれど、友達もたくさんできたしホッとした。 でも外で遊ぶのはあまり好きではないので、教室から外を眺めてる。 しばらくボーッと外を眺めていたら、目の前に顔が表れ 「うおああああ!?」 「なに驚いてるのさー?」 「びっくりさせるなよ!!」 「だってさっきから名前呼んでるのに反応してくれないんだもん!」 「……で、何の用だよ」 「あーうん。」 そう言うと俺の目をじっと見つめ、      奏。 俺の名前を呼んだ。 それだけなのに。 全身に衝撃が走った。心臓の鼓動が千切れるほど早い。 なんだ、なんなんだこの気持ちは。 「どうしたの?顔赤いよ?」 しばらく何もしなかったようだ。 「べ、別になんでもねーよ!!」 「さては…ボクにほれたなぁー♪」 「アホか!……てか、なんで俺の名前を呼んだんだ?」 「あのね、ボクの名前は奏歌(かなか)っていうんだ。君の名前は奏。おんなじ漢字!」「…それだけか?」 「それだけって…」 奏歌は俺の耳元に近付き、囁いた。
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