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「これって、運命だと思わない?」
ささやく声に甘い痺れを感じた。
奏歌の言う通り、運命かもしれない、と思った。
それから、奏歌と俺はいつも一緒に行動するようになった。
一週間くらいたった頃だろうか。
昼休みの教室で、いつもの様に二人で話していると、部活の話題になった。
「ねぇ奏。入りたい部活とかある?」
「ないね。やりたいことも無いし。」
「じゃあ放課後ボクについてきてよ!」
「どこに行くんだよ…」
「吹奏楽部の体験入部!」
そう言って四角いケースを持ち出した。
「なんだそれ?」
「この中に楽器が入ってるの。」
「へぇー。そういえば、奏歌は楽器は何をやってるの?」
「トランペット!」
そう言いつつケースの中からトランペットを取り出す。
「ああ、らっぱか」
「らっぱじゃなくてトランペット!らっぱって言い方は嫌い」
「なんで?」
「カッコ悪い」
「お前…」
「いいの!なんにしたってこだわるのも大事なんだから!」
奏歌はトランペットを構えた。
「お、吹くのか?」
「うん。まあ聞いててよ。」
奏歌の息を吸う音が聞こえ、
小さな小さな演奏会が始まった。
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