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あのオムライスはなんだ?とか
ミューとは昨日どうだった?とか
何があった?とか
母さんに聞かれたが全て曖昧に誤魔化し、逃げるようにして家から出た。
母さんはぶっきらぼうながらも心配してくれている様だった。
母さんは奏歌の件を全て知っている。
だからこそ気を遣ってくれているのかもしれない。
いつも通る土手をボーッとしながら歩いていると、後ろから声をかけられた。
「お、奏じゃん」
「……浅川先輩ですか…」
「よし、ここで会ったのも何かの縁だ、吹奏楽部に入部
「嫌です」
「せめて台詞全部言わせろし……」
浅川先輩。中学校からの先輩だ。吹奏楽部に入部していて、ことある毎に入部を勧めてくる。
前までは週1回位しか勧誘して来なかったが、先輩が3年生になってからはほぼ毎日勧誘してくる。
「……さっさと引退して下さいよ」
「俺は音大志望だしー、部長だし無理★」
しかも引退もせず部長を務めているというから、もう呆れるしかない。
俺はいつもの様に先輩の勧誘を受け流しながら土手を歩き続ける。
もう少しで学校に着こうかという時。
「あ…」
ミューと出くわした。
「お…おはよう…」
「うゆ…うん」
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