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ミューとの間に沈黙が流れる。
「そ…それじゃあ私急いでるから…」
「あ…
ミューは逃げる様に校舎の中に消えていった。
…やっぱりこうなるのか……
「んーどした?痴話喧嘩でもしたか?」
まだいたのか浅川先輩。
「いえ、そんなんじゃないですよ」
「だったら何が原因だい?」
「先輩には関係ないです」
本当にしつこい。
俺は先輩を離すように足早に歩く。
「じゃあこれで失礼します。」
「あ、おい待て!これだけは言わせろ!」
俺は歩幅を緩める。
先輩は俺に近付きながら話し始める。
「良いか?管楽器ってーのは自分の息を吹き込んで音にするモンだ。だから演奏者の気分によって音色が変わると俺は思ってる。」
「…何が言いたいんですか」
「そんな気持ちじゃ良い音色は出せねーって事だよ。」
「…その話、頭の片隅にでも置いておきます」
「ま、何かあったら相談しな。いつでも乗るからよ。」
先輩はニカッと笑った。
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