土曜日。

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パチパチパチ… いつのまにか俺達の周りに多くの人が集まっていた。 ミューは驚きながらも、皆歌を聞き、賞賛してくれているのに気付き、顔を真っ赤にしながらも深々と礼をした。 拍手が一層大きくなった。 「あ…ありがとな。俺の我儘に付き合ってくれてよ。」 「ううん。楽しかったからいいの。経験にもなったし。」 ミューは歩き始める。俺はトランペットを慌てて片付け、ミューの元へ向かう。 「奏。」 「うん?」 ミューは俺の方に振り向き、満面の笑顔でなにかを呟いた。 俺には聞き取れなかったが、気持ちが一杯に伝わってきた。 だから、こう言ったのだろう、 「ありがとう。」 と。 人を、好きになっていいのかな、と思った。 でも……俺は……
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