近くに。

日曜日。

トントントントン…

小気味良い音とミューの歌声が台所に響く。ジャズで良く使われる曲で、一昔前のアニメのエンディングにも使われていた気がする。

俺達は遅めの朝食を取ろうとしている。
ミュー曰く起こしてきた時点で既に11時を回っていたらしい。

ミューが朝食を作っている間にトランペットを掃除する。
１日1回はやらないと気が済まない。
ピストン部分を分解する。
ミューの歌声に合わせ手際良くオイルを差していく。

「できたよー！」
どうやらブランチができたようだ。
丁度手入れが終わったのですぐテーブルにつく。

「「いただきます！！」」
オムレツか。美味しそうだ。
ふとオムレツに違和感を抱く。
「…おいミュー」
「うゆ？」
「…これは何？」
オムレツにケチャップがかけてあるが何かを型どっている。
…多分………。
「これ？トランペット！」
「なにぃ！？」
どうみても魚の死骸にしか見えない。
「い…いいから！食べてみてよ！」
「確かにメインは味だけど…見た目も
「いーーから！！！」　　　　ミューが半泣きになっているのでしぶしぶオムレツを口に運ぶ。