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口の中に広がる卵の味。ふんわりとしていて、少し甘い。
俺は思わず言ってしまう。
「…旨いな……!」
「えへへ…でしょ!料理だってお嫁さん修行の一つなんだから!」
「お嫁さんて…」
「うゆー!もう16歳だもん!結婚だってできちゃうもん!」
「見た目は13歳だけどな」
「うーー!!」
背中をポカポカ叩いてくる。しかし全然痛くない。
俺は淡々とミューを無視してオムレツを口に運ぶ。
「うー!」
少し力が強くなる。
「うー!!」
あーそこそこきもちいー。
「う~~~!!!」
諦めたかな?
「ばるす!」
ぷすっ
「ぎゃああああ!目が、目がぁあぁあ!」
目潰しは反則だろ。
マジで痛い。
「だって聞いてくれないんだもん!」
「だからといって目潰しかよ!」
「…痛かった?」
「気付くのおせぇよ!!」
「うゆゆ…ゴメンね?だいじょうぶ?」
ミューが背中をさすってくる。
心配する位なら最初からやるなよ…
いや、俺が無視し続けた結果か?
「てぇ…」
なんとか瞑っていた目をゆっくり開けた時。
ミューの顔が近くにあった。
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