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…暑い。…暑いよ…?
今年も夏がやって来た。ボクは夏休みは大好きだけど、夏は嫌いだ。だって暑いんだもん。
出来れば夏休み中エアコンをガンガンきかせた部屋で1日中ゴロゴロしていたいものだけれど、母子家庭である我が家にそんな余計な負担をかけるわけにはいかない。ボクももう大人なのさ。
そんなわけで、今日はプールにやって来ている。とは言ってもリゾートプールなんて豪華なものじゃなく、ましてや流れるプールやウォータースライダーすらないごく普通の市民プールだ。
幼なじみである悪友一家に連れられて、火照った身体を冷やしに来たわけなんですよ。
この悪友、ヤンチャだしイタズラ好きだしいっちょまえにカノジョはいるし、なんら好ましい所が無いのだけど、何故だか生まれてこの方物心ついてから、ずっと仲が良い。……要するに、親友なんだ。
悪友の家族は何かとボクに構ってくれる。オジサンは無口だけどいつも面倒を見てくれるし、オバサンは何かと世話を焼いてくれる。ボクがオンナだったら嫁入りしたい位良い姑である。
そして悪友の弟。まだ小学校一年生で、とてもかわいい。まだあどけない顔をしているけど、将来はきっと美少年になり、モテモテの人生を送る事になるだろう。羨ましい。いや、羨ましいが、憎たらしいわけじゃないよ?むしろ本当の兄弟みたいに接してる。
さしづめボクは3兄弟の長男てとこかな?フフンっ♪
というこの5人で市民プールにやって来たわけだ。さすがに今日は今年一番の晴れ空、同じ様な家族連れや高校生や中学生?位のカップルで溢れかえっている。
こりゃ場所取りするのも大変だな、なんて思っているボクの隣を駆け抜けて水面にダイブしたのは言うまでもない、悪友だ。
早速怒られている。学習しねーなぁ?
弟はボクの隣にちょこんと立って、ボクが動くのを待っている様子。あぁ、なんてかわいいやつなんだ♪
オジサンとオバサンは?と辺りを見渡すと、日陰の涼しげな場所に寡黙然としてちゃっかり陣取っていた。オジサンのこういう能力は凄い。何故悪友に遺伝していないのだろう?あははっ。
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