~001~

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女教師あらため中里が名前だけと言う、まこと素晴らしい自己の紹介を終えると、まるで打ち合わせたかのようにチャイムが鳴った。 授業開始だ。 それはクラス中が十分承知している事だが、中里は掛け声一つ入れた。 「さぁ、授業始めましょうか。」 いよいよだと、直井は背筋を伸ばす。 「先ずは今日の内容だけど、召喚石について大まかな説明など、簡単に私の話を聞いてもらった後、体育館に移動してもらいます。皆がこんな場所で召喚獣を喚んだら窮屈だからね。」 「響ちゃん、質問があります!」 「何かな、えっと……吉沢君。」 「吉川です。」 「吉皮君。」 「その眼鏡を叩き割ってやりたいんですが良いですか?」 「それが質問?そんな事されたら私が困るから我慢してね。あと、最初に喧嘩売って来たのは君だから。」 「だってちゃん付け似合うじゃん。」 「フレンドリーに接してくれるのは嬉しいけど、あんまりふざけが過ぎると召喚獣が弱くなるわよ?」 「えぇ!?こんな事で!?」 「召喚獣の強さは持ち主の一挙手一投足が深く関わってるのよ。小さな悪ふざけも回数が多ければ致命的ね。それが嫌なら真面目な態度を心掛けるべし。良いわね?」 「…………はい。」 「素直でよろしい。それで吉田君、質問は?」 「………吉川です。」 「吉河君。」 「あんた絶対召喚獣弱いだろ!!そして絶対根に持つタイプだろ!!」 男、吉川 弦が雄々しく吼えた。 いやまぁ、そこまでかっこいい叫びではないのだが。
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