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御影のとあるアパート。
「……そろそろ起きなきゃな」
そう呟いてベッドから起き上がる少年の名は秋雨 良夜(アキサメ リョウヤ)。刃物職人で有名な秋雨家の長男だが今は理由あって家から離れ、一人暮らしをしている。
「まだ寝てるか……まぁ時間もあるし、もう少し寝かしとくか」
いや、一人暮らしではない。
彼のベッドにはもう1人、まるで人形のような可愛らしい少女が静かな寝息を立てていた。
何故一介の高校生である彼が、一部の人間にとって天国のような生活を送っているのかはまた別の話として、少女の名は柊 小夜華(ヒイラギ サヨカ)。良夜と同棲中である。
「……ん」
「あ、起きたか」
そんな彼女が眠りから覚める頃には良夜が作ったサンドイッチが出来上がっていた。
「おはよう、小夜華」
「……おはよう」
朝の挨拶を交わし、2人はいつも通りの静かで穏やかな朝食をとる。
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