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「今日は迎えに行けそうだから何か用事が出来たらメールしろよ?」
良夜の言葉に小夜華はコクリと頷く。迎えとは小夜華が通う中学でのことだ。しかし、決まって小夜華は良夜が迎えに来る日には必ず予定を空けている。
それが良夜への好意からなのかは定かではないが、今の2人の関係は恋人ではないとだけ断言しておこう。
「……良夜、今日も……バイト?」
「あぁ、悪いけど今日も晩飯は1人で頼む。作っておくからさ」
そんな良夜の答えに小夜華は仕方ないと言った風に頷く。
それは良夜が生活を支えるためにバイトをしなければならないことを知っているから。わがままは言えない。
それから10数分後、2人は学校に行く支度をして家を出る。
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御影学園は小学校から大学までが一貫性なため、良夜と小夜華は同じルートで登校する。
手を繋ぎながら登校する2人。最初は注目の的だったが、今はそれが日常となっていた。
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