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「おはよ良夜、小夜華ちゃん。今日も仲良さそうやね」
そんな2人に声をかける少年は吉沢(ヨシザワ)ユキト。良夜にとって親友といえる存在である。
「よぅ、お前はお前で元気そうだな」
慣れたようにそうユキトに返す良夜とただ会釈をする小夜華。これもまたいつもの光景である。
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「それじゃ学校終わったら迎えに行くからな」
中学と高校の分かれ道に入ると良夜はそう言って小夜華と別れる。
「それにしても相変わらずやな。一緒に暮らしてたら何か小夜華ちゃんと進展あったりするんちゃう?」
楽しそうに茶化すユキトに良夜はため息を吐き、
「オレと小夜華は家族だっての……友達でも、ましてや恋人でもない。何回も言ってるだろ」
と言って、歩く速度を速めていった。
「せやな、そうやった。そうやった」
そんな良夜に置いていかれないように同じく歩く速度を速めるユキト。
2人の向かう先は御影学園高等部2年2組。
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