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「佳奈…無事?」
不意に私の頬に手が添えられる。
心配そうに私を見つめる安藤くん。
「安藤くん。ありがとうっ!」
私は思わず安藤くんの首に飛び付く。
その反動で安藤くんは壁にごちんと頭をぶつけた。
「いった!」
安藤くんの声に私は抱きついたまま彼を見上げる。
目と目が合った瞬間。
安藤くんがぼっと顔を真っ赤に染めた。
「佳奈、顔が赤い」
先輩がくすくす言いながら私に告げてくる。
その言葉で、私の頬が熱を帯びていることに初めて気づいた。
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