番外編「佳奈」

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本当に変わらないな。 私は心の中で思う。 短い黒髪。 優しげな顔も。 しかしマジェスティから降りたって私の側に来たとき、私は「あっ」と声を上げた。 「安藤くん。背が伸びた?」 私にいきなり言われ、安藤くんはきょとんとする。 「あ、うん。高校の時に比べたら伸びたかな」 高校生の時の安藤くんは、まだ私より少し高いくらいの身長だった。 それがいつの間にか、頭ひとつ分くらいの差がある。 「成長したんだ」 私はため息をつきながら安藤くんを見つめる。 「なに?それ」 私の言葉に、安藤くんは苦笑いを浮かべた。
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