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騒がしい音楽。
にぎやかな子供たちのはしゃぎ声。
ジェットコースターの悲鳴や、メリーゴーランドの軽やかな音楽。
僕はうきうきしながらそれらを眺めた。
「さあて。どこからいくかな?」
先輩が僕に向かって声をかける。
「もちろん!あれです」
僕はまっさきにメリーゴーランドを指差した。
「え?」
「え?」
先輩と遥さんが二人同時に聞き返す。
「先輩と一緒にメリーゴーランド♪」
「あ…本気?」
聞く先輩に、僕はうんうんと頷く。
「きょーは僕の言うこと何でも聞いてもらいますよ~♪さあさあ、行きましょ行きましょ」
僕は先輩の腕を引っ張るとずんずんとメリーゴーランドに向かって歩き出す。
「先輩…御愁傷様です」
後ろで遥さんの小さな呟きが聞こえた。
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