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ぐたぐたになり、ベンチに座り込む遥さんを、先輩が心配そうに覗き込む。
「おーい。大丈夫かあ?遥」
「…大丈夫じゃありませーん」
弱々しい声が遥さんの口からもれている。
「すみません遥さん~。ついつい」
謝る僕に遥さんは顔をあげずに、手だけをあげた。
「とりあえず、飲み物でもいるか?遥」
そう言って立ち上がりかける先輩を、僕は両手で制する。
「いいですぅ~。僕いってきますから。先輩は遥さんを愛情たっぷり介護していてくださいっ!」
「…だあれが、愛情だってぇ…」
歩き始めた僕の後ろから、遥さんの恨めしいような呟きが聞こえた。
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