番外編「蓮」

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女の子は小さな手でジュースを受けとるとニコリと僕に微笑みかける。 小さな子供の笑顔って、なんだか癒されちゃうな。 僕も思わずにこりと笑いかけた。 「お母さんはどこにいるの?」 僕が問いかけると、女の子は悩んでいるかのように小首をかしげる。 「ん?」 僕は女の子を覗きこみ聞き返すが、女の子は答えない。 「お母さんかお父さんは?」 もう一度聞くが、女の子はわからないのか首をかしげたままだ。 「えー」 困ったな。 もしかしたら迷子かもしれない。 とりあえず先輩達に相談してみようかな。 「おいで」 僕が手を差し出すと、女の子は素直にその手を握りしめた。
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