6577人が本棚に入れています
本棚に追加
/229ページ
先輩の携帯に連絡をいれてみる。
かなり長いコールの後に誰かが出た。
『珍しいな』
懐かしい声が電話の向こう側から響く。
「久しぶりです。春馬先輩」
私は見えないのに、電話をしながら小さくお辞儀をした。
『遥に用事?いま横にいるけど』
その先輩の声に、電話の向こう側で「誰ですか?」と声がする。
これもまた懐かしい声。
安藤くん。
私の胸がなぜかドキンと高鳴る。
その高鳴りに疑問を覚えた。
いや。
安藤くんはお友達ですから。
百合が変なことを言うから妙に意識してしまう。
私はふーっと呼吸を落ち着かせた。
最初のコメントを投稿しよう!