番外編「佳奈」

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切られた携帯を見ながら、私はしばらくぽかんとする。 「あ、とりあえず。くるんだ」 先輩と。 それから安藤くん。 何ヵ月ぶりの再会だろう。 特に安藤くんは卒業式以来会っていない。 変わってるかな。 大学生になって少しはあか抜けたかな? かわいい彼女でもできたかな。 そこまで考えたとき、私の胸がなぜかズキンと痛む。 「あれ?」 私は自分の胸に手をあてて首をかしげる。 なぜ。 安藤くんに彼女がいると考えたら。 胸が痛むんだろう。 「なぜ」 私は自分の心に問うように声をあげた。
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