始まり

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「はぁ……」 無事に飛行機は飛び立ったが、大丈夫だろうか? いつもは冷静な冴が楓の面倒を見ていてくれていたが、あの調子ではやはり心配で仕方がない 「クソッ!あんな会議さえなければ」 とは言うものの、俺は一応社長だし会社も大切だ まぁ、一番大切なのは楓だけどね そんな事を考えながら、 小さくなっていく飛行機を見つめていた 「和海さんっ!」 心が息を切らせて空港のロビーにやって来た 「さっき飛び立ちましたよ」 「ああ~!やっぱり」 頭を抱えて座り込んだ心に静かに言った 「心が大変だったのはみんなわかっています……貴方はちゃんとマネージャーの仕事をしていましたし、心配しなくても大丈夫ですよ…明日私も向かいますから」 「よかった……楓さんが心配で……無理矢理会社に乗り込み…あっ、ごめんなさい」 「いえ、私も同じ事を考えていました」 「あ、あははっ……」 下手したら湊と会う前に、警察に連れて行かれたら厄介だ 「送ります、まだ大変なのでしょ?」 「はい……でもDAHLIAはまた必ず復活しますよね?」 「もちろんです」 「はい!あっ、そうだ」 「?」 「カスミン達の赤ちゃんが生まれました」 「そうですか」 「すごく可愛いですよ」 「きっと楓も喜びます」 「はい」 実はすっかり忘れていたなんて言える訳がない モルモットにまた楓を奪われてしまうのか…… はぁ……当分、楓といちゃいちゃ出来そうにないな 溜め息をつきながら 微笑した
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